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どんな仕事をさせても、一通りこなすことができて、能力的にも他人に遅れをとらないような人であっても、小さなミスは頻発し、ときには、とんでもないポカをやってしまう人がいるものです。 請求書の金額が一ケタ間違って大きな金額になったり、予算書の数字を見誤って予算要求が過小にされたりするようなミスです。 あるいは、科長に雑用を頼まれていたのをうっかり忘れてしまって、課長から「あの頼んでいた件、どうなったかな」といわれて、それから準備にかかるなどといったミスです。 そういうミスの多い人は、欲求不満がたまった状態になっており、思考力が乏しくなり、落ち着いて物事を判断できなくなっているのです。 普通の人は、心にストレスや欲求不満が生じたときには、欲求不満を解消するように、軽い運動をしてみたり、酒を仲間と飲みに行ったりして、少しでもストレスの解消に努めようとするのですが、中には、そういうことができない人がいるのです。 そういう人は、小さなミスが目立ち、大人としての欲求不満の解消ができず、幼児的な性格が現れることがあるのです。心理学では「退行」現象とも言われています。 この退行現象を起こした人は、現実から逃避する傾向があって、小さい頃の楽しい思い出に浸るなどして、欲求不満を解消するように心が働きかけるのです。 職場で、このような現実から逃避する行動を取れば、必然的に、心は宙に浮いたような状態で、しっかり根の生えたような考えはできず、いつも浮ついたような気持ちで仕事に取りかかるため、どうしてもミスが多くなってしまうのです。 もともと、この社会には、職場であれ、家庭であれ、ストレスになるタネがいっぱい蒔かれており、 たとえば 「取引先とトラブルが生じた」 「上司に怒られた」 「いつも嫌な仕事を押し付けられる」 「出世競争から外れた」 「妻とケンカした」 などなど。 ここで、大人と幼児の違いは、大人は、これらの欲求不満とかストレスを適度にコントロールして、平常心を保つことができるのですが、幼児性の強い人は、昔、母にやさしく抱かれて何の不安もなかった時代を思い出して、現実逃避しようとするのです。 現実逃避して小さなミスが重なるような人は、すぐにふてくされる子どもと同じで、見かけは大人でも、本性は子どものままという人たちなのです。 |
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