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服は肌の上に直接当たるもので、「衣服は第二の肌」などとも言われています。 とくに商談中や重要な会議をしているときに、その服を脱ぐということは、ある意味では生身の体を相手に見せるということであり、相手に対して警戒感を緩め気持ちがリラックスしている状態です。 ちょうど散歩中の子犬が頭や腹をさすって欲しいと催促するときに、腹を上に向けて「どうにでもしてくれ、あなたさまには参りました」と言っているような服従心の表れです。 本来、動物は、自分が襲われて一番弱い腹部は絶対に他の動物には見せないものですが、その腹部を見せるということは、「これ以上抵抗しません、好きにしてください」という状態です。 まさに、人がスーツを脱ぐときも同じような心境になっているときです。 昔の武士が、相手と白刃の真剣勝負をするとき、鎧、かぶとを身を包んで対戦しましたが、降参するときには、かぶとを脱いだものです。サラリーマンがスーツを脱ぐのも、ちょうどかぶとを脱いだのと同じ意味合いがあります。 厳しい商談や交渉が続き、「どちらかが妥協しなければ交渉がまとまらないなあ」と思えたときには、相手の服装を注意して見ることです。 まずは、切羽詰ったほうが、ジャケットやスーツを脱がないまでも、暑くもないのにボタンを外してみたり、ネクタイを緩めたりしながら、「こちらが折れるしかないか」と心でつぶやきかけているときです。 ですから、ビジネスマンは、こうして鎧を脱ぐというしぐさで、心を開くサインを示しているのであるとことを見逃してはいけません。 相手がボタンやネクタイに手を伸ばさないようなら、「ちょっと失礼します」と言いながら、あなたのほうがスーツを脱ぐのも手です。 相手は、スーツを脱いて降参したとは思わないでしょうが、あなたが「」なんとかこの交渉をまとめたい」という強い気持ちを持っていることは伝わる可能性が高いでしょう。 相手に少しでも脈があれば、こちらの熱意と正直さが伝わって思わぬ好結果を招くかもしれません。 ちなみに「先にスーツを脱ぐ」というのは、相手が警戒心をあらわにしているときにも効果的な心理的テクニックです。 |
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